残暑お見舞い申し上げます。
残暑です。いつまでも残暑です。
わたしはいつも、誰もが鬱陶しがる、厄介なおまけの時空で生きている。
本物にはなれないから、でも模倣は自分のプライドが許さなくて、偽物のくせして本物のような顔をして街を歩く。
そんなくだらない毎日。
わたしの知っている大人はみんな、避暑を求める。
夏本番の暑さは暑すぎて触れられないし、かと言ってそのあと残った暑さはたちが悪くて癪に触る。
端的に言えば暑さそのものが嫌いで、あの太陽の一人よがりな輝き方も不満。
そんな風に見える。
残暑お見舞い申し上げます。 きっとわたしのこの鬱陶しい暑さはもうしばらく、いや一生続くと思いますが。
暑さにまともに取り合いすぎて、どうかお身体などお崩しになりませぬよう。