わたし あたくし わたくし あたし

15歳。自分の思ったこと、感じたことを取り留めなく綴っています。

寝らんといてメランコリック

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ーもう、しばらくは連絡を控えよう。

恋は駆け引きっていうしな、私はいつも1人で駆け回っては迷子になって、結局元の場所に戻れなくなってあの人に迷惑かけてしまうし。

いやでも、これは恋というのか?

あの人の、私の好意を半分受け取って、もう半分は返しているというこの宙ぶらりんの状態を、恋とはきっと言えまい...ー

 

 

はい、そんなこんなで17時半。

あの人の退勤時間。

定時で帰りたい、とぼやきながらもきっと、押しに弱くて優しすぎるあの人はきっと帰れていない。

脳内をバスの時刻表でいっぱいにして、まだ多分パソコンのキーボードをカタカタしてる。

多分、だ。私はもうあの人の生活の近くにいない。

「仕事きつすぎない?無理してない?」

そう無責任に心配したり干渉できる立場にもいない。

 

やっぱり、やめとこうかな。

メールのアプリを静かに閉じる。

 

 

19時

諦めきれなくて、あの人の全部を感じられなくてもいいから今現在進行形であの人が思っていること、言葉を私の脳内にも取り込みたい。そう思って結局、メールアプリを閉じたり開いたりの茶番を繰り返してメールを送ってしまう。

 

さあはて、今日も今日とて私は何をやっているのだろう。

 

22時

しばらくメールで話す。

言葉の隙間が見えないように、一生懸命嘘やほんとうをぐっちゃぐちゃにまぜたペーストで表面を塗り固める。

おやすみ、が来ませんように。

またね、が来ませんように。

ー入力中ーという表示が出るたびに、私は新しい話題を考える。

この時間を終わらせたくない。

けれど、そんな願い虚しく私の恐れる「おやすみ、またね」は必ず訪れてしまう。

「また明日ね」ではない。

あの人の中ではきっと、毎日は完結しているのだろう。

今日は今日、明日は明日。昨日は昨日。

そりゃそうだ。「楽しい」と思う瞬間がある限り絶対に終わりは、おやすみは訪れる。

この時間を終わらせたくない、と思っている時点で、実は終わらせたくない時間は終わっている。

 

‥.と、毎日飽きもせずに代わり映えのしない結論に行き着いている模様。

 

 

2時11分。

私はまだ眠れていない。

私は夜が嫌いだ。

いつも取り残されてしまう。

そう、言うなれば、掃除時間ほこりが舞うなかで、先生に急かされながら冷たくなったご飯を必死にかきこむあの感じ。

「あ、机下げるのもうちょっと待って〜」

「あと少しで食べ終わるからさ!ほうき近くでせんで〜」

そう言えたら良いのだけれど。

でも結局、机を下げることやほうきで近くをはわくのを待ってもらわないといけないのは、当たり前だけど自分のせいでしかないから、「もうちょっと待って〜」なんてわがまま言えるわけがない。

とかなんとか、謙虚っぽいことを言っているくせに、あの人の「おやすみ」が送られてくるたび「まだ寝ないで」と、思ってしまう私は根っからの、タチの悪いわがまま人間なのだと思う。

 

 

 

 

翌日16時40分。

 

ーもう、しばらくは連絡を控えよう。

恋は駆け引きっていうしな、私はいつも1人で駆け回って迷子になって、結局元の場所に戻れなくなっていつもあの人に迷惑かけてしまうし。

いやでも、これは恋というのか?

向こうは私の好意を半分受け取って、半分返しているこの宙ぶらりんの状態を、恋とはきっと言えまい...ー

 

毎日私は飽きもせずに、同じ内容の続編を書き続けているらしい。

もっとも本人は、「毎日同じだったらこんなに苦労しない‥.」と嘆いているようだが。